事前確定届出給与の実際の支給日が届出書に記載した支給日と異なってしまった場合

 事前確定届出給与に関する税務上のポイントとしては、

① 使用人兼務役員に対して、役員部分の給与を支給する場合には、届出要

② 該当者がいる場合には、毎期届出要

③ 同族会社以外の法人(例えば、医療法人、協同組合、一般社団法人など)が、定期給与を支給しない役員に対して支給する給与については、届出不要

④ 支給額が届出事項と異なる場合には、支給した給与は全額損金不算入

などがあげられます。

 この点、「事前確定届出給与に関する届出書」に記載した「支給時期(年月日)」と異なる時期に支給した場合の損金算入の可否について、ご相談をいただくことがあります。

 事前確定届出給与とは、その役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与をいい、具体的内容を記した当該届出書を事前に所轄税務署に対して提出しておかなければなりません。この届出事項のひとつに「事前確定届出給与の支給時期及び各支給時期における支給金額」があり、具体的には、当該届出書付表の区分欄「支給時期(年月日)」に支給年月日を記載することとされています。

 こうした中、何等かのご事情で、当該届出書に記載した「支給時期(年月日)」と異なる時期に支給してしまったような場合ですが、たとえ1日でも支給日がずれた場合であったとしても、④の支給額が異なる場合と同様、結果的には届出事項と異なる支給ということになりますので、原則としては、その全額が損金不算入になるものと考えるべきでしょう。